ギャグもエログロも無い沙村―――沙村広明『春風のスネグラチカ』

 

春風のスネグラチカ

春風のスネグラチカ

 

 ソ連・カレリア自治共和国。車イスの女に隻眼の男。ロシア共産党の苛烈な支配のもと、二人は別荘で暮らし続ける。ある目的のために。

 

作者にとっては「ブラッドハーレーの馬車」以来の1巻完結もの。ジャンルとしてはミステリーになるのかな。

ギャグも無ければエログロも(あんまり)なく淡々と進む展開に驚き。重苦しい雰囲気も手伝って、はっきり言って読みやすい作品ではない。

しかし話づくりはさすが。細かい伏線も多く、二度三度と読み返すことでより深く楽しめる作品である。